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トップを飾った写真に関するコラム
令和5(2023)年
11月
ウンシュウミカン
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分類 科:ミカン科 属:ミカン属 種:ウンシュウミカン
- 現在「ミカン」と呼ばれるものは、ウンシュウミカン(温州蜜柑)をさします。皮が薄くてむきやすく、食べやすいことが特徴です。さまざまな栽培品種があり、産地によってブランド名があります。
- 一部、『中国から持ち帰ったカンキツのタネから偶発実生(みしょう)として発生した』との説を掲載しているページもありますが、現在は、日本原産種と推定され、一般に鹿児島県原産とされることが多いです。
→→農林水産省HP
「美味しいミカンの見分け方」
- 皮のキメ・・・皮には、半透明のつぶつぶとした「油胞」と呼ばれる斑点が無数に存在します。そのキメが細かければ細かいほど、甘いみかんと言われています。
- 皮の色・・・太陽の光をたっぷり浴びて皮の色がより濃いオレンジ色になったみかんはより甘みも増していると考えられます。
- 軸の太さ・・・切り口が小さいみかんは水分があまり果肉に送られず、味が凝縮されて甘みが強くなります。また、ヘタが緑色ではなく黄色に近いほど、よく熟していて甘いみかんである可能性が高くなります。
- 形・・・果実を横から見たときに、横長の楕円形(扁平形)になっているみかんの方が甘い傾向があります。みかんの果実は横に成長するときに甘さを蓄えると言われており、横長であることは甘さを蓄えている証拠なのです。
JA三ケ日(JAみっかびオンラインショッピング)より
モミジ
- 現象としてのモミジ
- 昔、秋になり草木の葉が紅や黄色に色づくことを「もみず(もみづ)」と言ったそうです。この「もみず(もみづ)」という動詞から、色づく葉のことを総称し名詞として「モミジ」としてつかわれるようになったようです。
- 紅く変わることを紅葉と書いて「コウヨウ」と呼び、黄色く変わることを黄葉と書いて同じく「コウヨウ」と呼びます。褐色に変わることを褐葉と書いて「カツヨウ」と呼ぶのですが、厳密に3つを区別することが難しく、まとめて「紅葉(コウヨウ)」と呼んでいます。
- 最低気温が8度以下くらいになると色づきはじめ、5度以下くらいの日が続くと「紅葉(コウヨウ)」は急に進むと言われています。




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名称としてのモミジ・・・紅葉(モミジ)と楓(カエデ)
- 紅葉(モミジ)も楓(カエデ)も、どちらもムクロジ科カエデ属の広葉樹(落葉高木)の総称で、植物の分類上は同じです。
- 「カエデ」とはその葉の形が「カエルの手」に似ていることから「カヘルデ」と呼ばれ、そこから「カエデ」の呼称が一般化したと言われています。
- モミジとカエデは、葉の見た目で使い分けています。葉の切れ込みが深いカエデを「○○○モミジ」、葉の切れ込みが浅いカエデを「○○○カエデ」と呼んでいます。
- しかし、紅葉(こうよう)する樹木の代表である「イロハモミジ」のことを「イロハカエデ」ともいうなど明確な区別はないようです。
- イロハモミジの葉は掌状に5〜9つに切れ込んでいますが、これを「いろはにほへと」と数えたのが名前の由来だそうです。
10月
コキア(ホウキグサ・ホウキギ)


コキアといえば、国営ひたち海浜公園が大変有名です。10月上旬には、夏の緑色から少しずつ紅葉し始め、下旬には真っ赤になるそうです。国営ひたち海浜公園のWEBサイトを見ると、『当公園で使用しているコキアは、種苗会社が当公園用に開発した品種ですので、一般小売り向けには流通しておらず、ご購入いただく事はできません。また、公園内でも当品種の販売は行っておりません。』とあり、同じものを手に入れることはできないようです。
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食べる
- とんぶり…一年草であるホウキギ(ホウキグサ)の成熟果実を原料とし、それを加熱加工したものです。秋田県大館市以外では生産されていないようです。秋田の特産品として広く知られるようになりました。
- 食感…プチプチとした食感を楽しむ食材として使われることが多く、魚の卵に感じられる歯触りで「畑のキャビア」などとも呼ばれています。

- 使う
- ほうき…枯れた茎枝をほうきとして使っていたため、コキアの和名はホウキグサ・ホウキギなどと呼ばれています。
- ほうき…コキアを見に行くと「昔のほうきは、これで作っていたんだよ」というウンチク話をよく耳にします。
でも、子どものときに使っていた座敷ほうきはやわらかかったような・・・
左のほうきは、普通の主婦が1時間30分で作り上げたコキアぼうきだそうです。
(https://blog.goo.ne.jp/voyage44/e/0fcc56924e36e27c817e5f13aee53749) - 和箒…座敷ほうきの材料を調べてみると、ホウキモロコシというイネ科の植物でした。
コキアよりホウキモロコシの方がやわらかく弾力があり、フローリングや畳を傷つけず、「絨毯・カーペット」
といった、抵抗の強い「敷物関係」でも、十分効力を発揮するそうです。



9月
ススキ・オギ・ヨシ



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ススキ
- 秋の七草(「女郎花(おみなえし)」「尾花(すすき)」「桔梗(ききょう)」「撫子(なでしこ)」「藤袴(ふじばかま)」「葛(くず)」「萩(はぎ)」)のひとつです。
- 「茅(カヤ)」とも呼ばれるススキは、茅葺(カヤブキ)の代表的な材料で、乾燥した土壌に生えるススキは、集落の近くに草原を作り、定期的に刈り入れをする茅場(カヤバ)と呼ばれ活用されていました。
- ススキは稲のように、多数の茎が根元で集まった状態(株)になります(株立ち)。
- 夏から秋にかけて、茎の先端に長さ20から30cm程度の十数本に分かれた花穂をつけます。花穂は赤っぽい色をしていますが、種子(正しくは穎果・えいか)には白い毛が生えて、穂全体が白っぽくなります。
- 毛は短く。先にとがった針状のもの(芒:ノギ)があります。


- オギ
- 漢字で書くと荻(オギ)(萩:ハギとはちがいます)
- 乾燥している場所を好むススキと違い、オギは河川敷のような地下水位が高い場所を好むそうです。また、株立ちするススキと違い、オギはかたまらずに茎が間を開けて生えています。
- 穂についている毛の色も違い、離れてみても明らかに違い、純白はオギ、くすんでいたらススキです。また、毛は長く、芒(ノギ)はありません。
- ヨシ
- 漢字で書くと葦、芦、蘆…
- 『古事記』には「豊葦原の千秋長五百秋の水穂国」(とよあしはらのちあきながいおあきのみずほのくに)『日本書紀』神代上には「豊葦原千五百秋瑞穂の地」(とよあしはらのちいおあきのみずほのくに)とあるように、およそ平安時代までは「アシ」と呼ばれていたようです。
- 各地の池沼、河岸、湿地など、水辺に自生しています。
- 葦の茎で作ったすだれは葦簀(よしず)と呼ばれ昔から利用されてきました。また、屋根材としても最適で茅葺民家の葺き替えに現在でも使われています。
シロバナヒガンバナ・ヒガンバナ・ショウキズイセン・リコリス




白花彼岸花・白花曼殊沙華(シロバナヒガンバナ・シロバナマンジュシャゲ)
白花の由来は突然変異で染色体の欠陥より出たアルビノ現象といわれる説と赤いヒガンバナとショウキズイセンとの掛け合わせで出来たと言う説があります。また、ヒガンバナは三倍体のため種子ができないが、ヒガンバナに似たコヒガンバナは二倍体のため種子を作ることができる。このため、コヒガンバナとショウキズイセンの掛け合わせでできたとする説もあります。
シロバナヒガンバナは九州南部を中心とした地域で自生が見られるようです。
欧米で人気の高いリコリスですので、神奈川で見られる白いヒガンバナは、園芸種として作り出されたものかもしれません。
お彼岸
お彼岸は年に2回あり、「春のお彼岸」「秋のお彼岸」と呼びます。春分の日や秋分の日をお中日(おちゅうにち)として、前後3日間をあわせて7日間がお彼岸です。
彼岸花
お彼岸の時期になると決まって、強く反り返った鮮やかな赤い花が咲きます。花が咲き終わり、秋の終わるころ葉が伸びて翌年の初夏に枯れるという珍しい生態を持つ植物です。ごくまれにタネをつけることがあるようですが、通常彼岸花には種子ができません。地下の鱗茎(球根)が分球して増えます。彼岸花は毒性があり、特に鱗茎(球根)に多く含まれています。有毒であるために、故人や農作物を害獣から守るために、お墓の周辺・田んぼのあぜ道、畑の周辺などに植えられたようです。
九州、南西諸島、台湾に自生していて、茎先に花径6〜7pの鮮やかな黄色い花を、横向きに数輪咲かせます。黄色い花弁が波打っている様子を、「鐘馗ヒゲ(鍾馗のように、ぼうぼうと生えた頬ひげ)に例えた」ということのようです。
※ 鍾馗:中国の民間伝承の道教系の神。 大きな眼と長いひげをたくわえている。
リコリス
彼岸花は毒性を持ち、虫や獣除けとして墓地などにも植えられたことから「じごく花」「しびと草」「いっときごろし」などと不吉な別名も持っています。このような名前から「縁起が悪い」として、日本では庭先に植栽するのを嫌ってきたようです。しかし、そのような文化がない西欧では美しい花として人気があり、品種改良も進んでリコリスとしてカラフルな花色が揃うようになりました。
8月
ニラとハナニラ
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ニラ 【分類】目:キジカクシ目、科:ヒガンバナ科、属:ネギ属
- ニラは、春に出てきた葉を根元近くから刈り取っても、その後からまた次の新しい葉が伸びます。そうやって年に3回位は収穫ができます。
- 7〜8月頃になると、花茎が伸びてきます(トウ立ち)。このトウ立ちして花が咲ききっていないつぼみのうちに、花茎を根元から刈り取って収穫(食用)します。これを「ハナニラ(メニラ)」と呼びます。ハナニラを収穫するための品種もあるそうです。
- 花が咲いて枯れても、それは地上部が枯れただけです。春になるとまた新しい葉が伸びてくるので、通常4〜5年は同じ場所に植えたままで栽培することができます。



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別のハナニラ 【分類】目:キジカクシ目、科:ヒガンバナ科、属:ハナニラ属
- 上記のニラとは別種で、春に白い花をつける「ハナニラ」と呼ぶ植物があります。葉にはニラやネギのような匂いがあり、そこから命名されました。
- 名前は同じですが、毒性があり食用になりません。
- 非常に丈夫で手間いらずな植物であるため、道端や花壇に植えっぱなしにしておいても増えます。

ハスとスイレン
- ハスは、日本での古名を「ハチス」といい、花托の形状を蜂の巣に見立てたとするのが通説
- 日本ではハスの実はあまり食されないですが、乾燥した蓮の実は、韓国や中国でよく食べられているようです。薬膳の効能が期待できる栄養価の高い食材としても人気だそうです。また、茎や葉も食べることができるそうです。
- レンコンは蓮根と書き、日本でも普通に食べられています。しかし、蓮根は根ではなく地下茎です。そこから本当の根が出ます。

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スイレン(睡蓮) 【分類】目:スイレン目、 科:スイレン科、 属:スイレン属
- 名前のいわれは、「朝開花し、午後に花を閉じるのを、睡(ねむ)ると見立てて睡蓮と名づけられた」といいます。
- 光沢のある、深い切り込みが1本入った円形の葉と、水面に浮かぶ花が特徴です。(ハスの葉には切れ込みがなく、光沢がありません。また、花は水面より高く咲きます。)


7月
ヒマワリ
ヒマワリは漢字て書くと「向日葵」です。この文字の通り、ヒマワリの花は東から西に太陽の動きに合わせて動くイメージがあります。しかし、いつ見てもヒマワリ畑の花は、ほとんどが東を向いています。

太陽に背を向けるヒマワリの写真
- 実は、つぼみができ始めたころのヒマワリは、太陽の動きに従って体を傾けます。茎の先の部分が、太陽を追いかけて、朝は東、夕方は西と、とてもよく動きます。
- 動きが生まれるのは「オーキシン」と呼ばれる植物ホルモンの働きだといわれています。太陽がのぼっている間は、オーキシンが光が当たった方と反対側の茎だけを成長させるため、茎は太陽の方向に倒れます。 そうすることによって、茎や葉に日光が当たり易くなり、光合成が活発になります。日が沈むと、今度は外界の刺激とは関係なく、昼間とは反対側の茎を成長させることにより、茎は夜の間にまた東の方向に戻ります。
- 花が咲いたひまわりは、日光をさほど必要とせず、オーキシンの働きも止まる為、一貫して太陽の方を向くということはなくなります。
ひまわりは夜のうちには咲かず、日中の開花が多いからだといわれています。太陽のある東側を向いている状態で、開花して成長ホルモンが止まり、花の向きが固定されるのだそうです。
アカトンボ

一般的に「アカトンボ」は赤色のトンボを指しますが、アカトンボのイメージとしては、秋に群れを成して飛んでいるイメージがあるのではないでしょうか。
このアカトンボは、「アキアカネ(アカネ属)」です。「アキアカネ」は暑さに弱く、気温が30度を超えると生存が難しくなるそうです。羽化を5月から6月頃に済ませたアキアカネは、成虫になると標高の高い地域(場合によって標高2000メートルを超える亜高山帯)で7月から8月を過ごします。
そして、気温が下がってきた秋ごろに平地に移動し、黄色かった体も赤味も増し所謂「赤トンボ」になり、少し開けた広場などで群れをなします。こうして私達は、ある日突然現れたアキアカネの大群に出会うことになるのです。
今の時期に平地で見られるアカトンボ
- ショウジョウトンボ(当WEBのトップの写真) ショウジョウトンボ属
真っ赤な色が印象的なトンボです。雌はここまで赤くなりませんが、この赤が、古典書物に記された架空の動物“猩猩(しょうじょう)” の赤を思わせるということから名付けられたといいます。この「ショウジョウトンボ」は、初夏から夏にかけて平地のビオトープや池などで見られます。(写真は小田原フラワーガーデンで撮影)
脚まで赤く、翅の付け根に鮮やかな橙色(赤)の模様が見られるのが特徴です。 - ナツアカネ (でも、この時期はまだ体色は赤くないです) アカネ属
アキアカネより一回り小さいアカトンボです。成熟前のナツアカネは、水域から離れ、近くの林の奥などに移動し過ごすそうで、ほとんど人目につかないようです。秋になり、成熟し体色が赤くなるころ水域に戻り繁殖活動が始まります。アキアカネと同様に成熟した雄は、脚以外全身が複眼を含め赤くなります。



6月
ガクアジサイ(5月31日更新)


- 紫陽花の原種は日本で自生するガクアジサイです。ガクアジサイという名は、小さな花の周りに大きく発達したガク(萼)を持つ装飾花が取り囲み、周辺部を飾るように並んだ姿が額(ガク)のようだというところから名付けられてといいます。
- ガクアジサイから園芸種として改良され、花序が球形ですべて装飾花となったアジサイを、ガクアジサイと区別してホンアジサイとよばれています。


- ガクアジサイの中心部分にある粒々が花で、両性花が多数あります。また周辺の額が大きく発達した装飾花の中心にある花は、中性花で種はできないそうです。
- ホンアジサイは全てが装飾花に立っているので、大部分が中性花であり種はまず取れないので、挿し木で増やすのが一般的です。
5月
ショウブ(ハナショウブ)(5月17日更新)


- ???菖蒲と菖蒲は違う???
実は菖蒲(ショウブ)には「サトイモ科の菖蒲」と「アヤメ科の菖蒲」があります。
・サトイモ科の菖蒲(左の写真)…端午の節句にお風呂に浮かべるショウブ
調べて見ると、端午の節句や菖蒲湯の風習は、奈良時代に中国から伝来したようです。
端午の節句に菖蒲を使用する風習が日本に伝わり、「勝負」「尚武」などの言葉にかけられた菖蒲に、
男の子が逞しく成長することを願ったようです。
・アヤメ科の菖蒲(右の写真)…野生のノハナショウブをもとに、江戸時代を中心に数多くの品種が生み出されました。
一説では2000種類の品種があるそうです。 - ???みんな菖蒲???



・一番左…アヤメ科。漢字で書くと「杜若」と書きます。古来より日本にある植物で「カキツバタ」といいます。
・真ん中…アヤメ科。菖蒲「本当の菖蒲はサトイモ科」こちらは「ノハナショウブ」の園芸種で「ハナショウブ」です。
・一番右…アヤメ科。菖蒲と書きますが「ショウブ」と読みません。別の漢字を使うと「文目・綾目」です。
花びらに網目の模様があったことから、文目・綾目「アヤメ」と呼ばれるようになったといわれています。
※Wikipediaによると、「ハナショウブ」の別名は「ハナアヤメ」であり、縮めて「アヤメ」と呼ぶ文化がある。
また、「ハナショウブ」や「カキツバタ」を含めて、「アヤメ」と呼称する習慣がある。とあります。
なんだかよく分からない状態ですね。
- 見分け方
- カキツバタ(左) …湿地に群生・花びらの根元に白い模様
- ハナショウブ(中)…乾燥地や湿地に群生・花びらの根元に細長い黄色の模様
- アヤメ(右) …乾燥した場所に群生・花びらの根元に網目模様
ムラサキツメクサ (5月8日更新)


- ムラサキツメクサ(アカツメクサ)とシロツメクサ
国立環境研究所の侵入生物データベースによると、シロツメクサは『オランダからの献上の器物の間に詰め物として使用されていたのが,最初の持込。牧草,緑肥,緑化用として輸入されたものが定着・分布拡大したと考えられている。』と記載されています。ムラサキツメクサは日本にはシロツメクサと共に牧草として明治以降移入されたようです。
漢字で『詰草』。別名『クローバー』『オランダゲンゲ』 - 幸運の四つ葉のクローバー
クローバーの小葉は普通は三枚。四つ葉以上のクローバーは変異体です。四つ葉になる発生確率は10万分の1だそうです。だからなのか見つけたら「ラッキー」なんでしょうね。
そんな四つ葉のクローバーの絵を描けますか?



実は、上の絵は実はちょっとおかしいのです。
下の写真の左がシロツメクサの葉・右がムラサキツメクサの葉です。ハートではありません。



カタバミです
マメ科シャジクソウ属の多年草ですが、カタバミはカタバミ科カタバミ属の多年草で、道端や空き地・農地などでも多く生えています。全く異なる植物です。
ちなみに、カタバミの方が四つ葉になる確率が低いそうです。
4月
ネモフィラ (4月17日更新)
国営ひたち海浜公園(茨城県)で栽培され、青い愛らしい花が一面に広がっているポスターや映像で一躍有名になった花がネモフィラです。


- ネモフィラ・メンジェシー…一番ポピュラーなネモフィラです。 さらにこの中で花色によって品種が分けられており、その中のひとつにひたち海浜公園にも植えられている「インシグニスブルー」があります。
- ネモフィラ・マキュラータ…花びらに点がある方のネモフィラです。maculata(マキュラータ・マクラータ) は「斑点のある」という意味だそうです。斑点の数通り別名をファイブスポットといいます。
- ネモフィラを見ることができる県内の場所…「神奈川 ネモフィラ」で検索した結果
・くりはま花の国(相模原市)…ポピー・ネモフィラまつり 4月8日(土曜日)〜5月28日(日曜日)
・県立相模原公園(相模原市)…花ブログ
・日比谷花壇大船フラワーセンター(鎌倉市)
・コキアの里(松田町)…開花状況
・長井海の手公園 ソレイユの丘
チューリップ (4月4日更新)
〇 年代によって習った学年は違いますが、今回は小中学校の理科を復習しましょう。


この絵の花はなんでしょう?・・・・・
単純化されていますが、花と茎と葉があって、茎がまっすぐに伸び、茎の根元から葉が伸び、花びらが3つあります。
「チューリップ」と答える方が大部分だと思います。
実際のチューリップを見てみましょう。





どのチューリップも、花びらが6枚に見えます。やはり。花びら3枚の上の絵は間違っている・・・・。とすぐに思ってはいけません。 学校の授業で、花は外側から「ガク」「花びら」「オシベ」「メシベ」の順に並んでいると習いました。一般の花では、ガクは花びらの付け根の方にある小さな緑の部分ですが、チューリップは、つぼみ全体が、緑色から花の色に変わっていきます。つまり、「がく」が花を保護する役目を終えると、今度は色づいて花びらの役目に変わるのだそうです。ですので、チューリップの花びらは3枚だけれども、花びらの役目をするものは6枚とも言えそうです。
3月
土筆(ツクシ)(3月22日更新)




ツクシは、3月頃土手や道端に顔を出します。ツクシが枯れた頃、スギナが同じ地下茎から伸びてきます。
つまり地下茎からは、二種類の茎を地上に出すのです。一方は胞子茎のツクシで、もう一方の栄養茎がスギナです。このように2つの名前を持つ植物ですが、学術的には「スギナ」が標準和名となります。
スギナは「杉の木」をイメージする形状からスギナと名付けられたようです。このスギナは胞子で増えるシダ植物ですので、胞子が発芽し、雄と雌の前葉体が作られます。さらに、雄の前葉体では精子が、雌の前葉体では卵が作られ、精子が泳いで受精し大きく育つことでスギナになります。増え方としては、受精以外に、地下茎から芽を出し増えることもできます。地下茎は切断されるとそこから発芽する性質があますので、スギナが生えている畑に耕運機をかけると一気にスギナが広がってしまうため、駆除するのは困難な雑草といわれています。
卒業時期の桜 (3月13日更新)
「春めき」桜は、2000年に品種登録された
神奈川県南足柄市固有の桜です。登録された当初は、「足柄桜」の名で登録されました。 「染井吉野」が入学式の桜としてのイメージが強いですが、「春めき」桜は卒業式の時期に咲く桜として人気が出て全国に広まっているそうです。
今年は、どの桜も開花が早く、2月で紹介した西平畑公園の河津桜は「松田さくらまつり」が2月11日〜3月12日まで開かれていましたが、早くも3月6日には散り始め、最終の土日11日・12日は完全な葉桜でした。
今回の春めき桜も、3月6日〜21日に「春木径・幸せ道桜まつり」が開かれていますが、3月10日にはほぼ満開状態でした。その時の写真を今回使用しました。
サクラの蜜腺(ミツセン)

蜜を出す器官を「蜜腺」といいます。桜の蜜腺は、花の中(花内蜜腺)だけでなく葉にもあります(花外蜜腺)。右の写真の丸の中の2つの出っ張りがそれです。
桜の葉には、サクラケムシ(モンクロシャチホコ)やアメリカシロヒトリが大量発生することがあります。これらの毛虫(ガの幼虫)は、桜の葉をあっという間に食べていきます。
花外蜜腺から分泌される蜜を求めてアリが集まってきます。アリを誘引することで、昆虫やその幼虫の食害から大切な葉を守っているのではないかといわれています。
2月
サクラ (2月22日更新)
今回の写真のカワヅサクラは、なかなか散らないイメージがあります。サクラの花の寿命を調べてみました。
- 染井吉野……開花〜満開までおよそ1週間程度 満開から散るまで4日〜1週間程度
- 八重桜………ソメイヨシノから1週間程度後に開花 ソメイヨシノより散るまでの期間が長い
- 河津桜………2月上旬に開花し中旬に満開 開花から散るまで1カ月程度と、咲いている期間が長い
花が散るのは (2月22日更新)

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花びらの根元に離層という細胞層が形成され、それまで付着していた花托(かたく)から花びらが切り離されるからです。しかし写真の左下ように花ごと散っていることがありますが、花ごと毟る犯人は誰でしょうか。容疑者は下の写真です。
鳥の名前は、左からヒヨドリ・スズメ・メジロです。 ヒント:蜜がほしいのだけれども・・・・・




桜の花の蜜は、左の緑の丸の内部にあります。桜によく集まるヒヨドリやメジロは、くちばしが細く桜の花の中心に差し込むことができますが、スズメはくちばしが太いため蜜まで届きませんから、花をちぎって蜜をなめているのです。
植物は蜜を出すことで虫や鳥などを集め、受粉を手伝ってもらいます。しかし、スズメの蜜の舐め方では受粉の助けになりません。ただ蜜をなめるだけなので「盗蜜」とよばれています。
ウメ・モモ・サクラの花の違い



「ウメ」・「モモ」・「サクラ」春に咲くこれらはすべてバラ科で花びらの数も5枚の花が多い。
……花を見て区別がつきますか?
開花時期 | 花びらの形 | 花柄(花梗) 花と枝の間の緑の茎 |
花の咲き方 | |
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ウメ | 2月上旬から | 先が丸い | 無し | 節に花は1つ 枝にへばりつくように咲く |
モモ | 3月中旬から | 先がとがっている | 緑色の花柄が短い | 節の付け根から2輪の花が 上や下などさまざまな 方向を向いて咲く |
サクラ | 3月下旬から | 先に切れ込みがある | 緑色の花柄が長い | 1つの節からたくさんの花が、下を向くように咲く |

1月
2つのホトケノザ


- TOP写真のホトケノザ(左の写真)は、「仏の座」と漢字で書かれるように、葉の形が仏様の台座(蓮座)のように見えるというのが名前の由来だといわれています。
ホトケノザの花をそっと引っぱると簡単に花がはずれます。花の根元は筒状になっていて、その部分をなめたり吸ったりすると甘い蜜の味がします。蜜はなめられますが、本体は食用になりません。 - 「春の七草」にもホトケノザがでてきます(セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ)。しかし、春の七草のホトケノザはコオニタビラコ(右の写真)のことです。このホトケノザの名前の由来も、コオニタビラコの葉がタンポポの葉のように放射状に広がる様子が、仏様の蓮座のようだというところから付いた名前だそうです。
春先の柔らかい新芽や若葉が食用になります。 - サルビア、
ツツジ、ムラサキツメクサ、スイカズラ、サツキ、オシロイバナ、レンゲソウ、ヤブツバキ、サクラ などの植物が、昔の子ども達によく吸われていた植物です。しかし、厚生労働省の「自然毒のリスクプロファイル」によると、『ツツジ科の植物には毒をもつものが多く、蜜にも毒性成分があることがあり、注意が必要』とあります。また、『ハクサンシャクナゲ』『セイヨウシャクナゲなどの園芸種』『レンゲツツジ』等の植物名を具体的に挙げ、注意を呼びかけています。
「自然毒のリスクプロファイル」:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/poison/index.html - 調べてみたところ、高原にもともと生えていたレンゲツツジですが、園芸用の品種もあり身近で植栽されている可能性があります。こどもの事故防止のために、ツツジの花の蜜は秘密にしておいた方がよいかもしれません。また、見分けがつかないのなら、サツキの花の蜜も秘密に・・・・。