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特集 「川崎の文化財」
文化財保護法
第二十七条 文部科学大臣は、 有形文化財のうち重要なものを重要文化財に指定することができる。
2 文部科学大臣は、重要文化財のうち世界文化の見地から価値の高いもので、たぐいない国民の宝たるものを
国宝に指定することができる。
1996年の文化財保護法改正により、従来の文化財「指定」制度に加えて、文化財「登録」制度が創設された。登録された物件は、登録有形文化財とよばれています。
当初は当面建造物のみが対象でしたが、2004年の改正で、建造物以外の有形文化財も登録の対象となりました。
また、有形民俗文化財、記念物(史跡・名勝・天然記念物 関係)についても、従来の「指定」制度を補完するものとして「登録」制度が導入されました。登録された有形民俗文化財および記念物はそれぞれ、登録有形民俗文化財、登録記念物と呼ばれています。
川崎の文化財に興味があるなら (2022年10月25日掲載)
・川崎市教育委員会公式WEBサイトに「文化財ニュース」が掲載されています →「文化財ニュース」のページへ
現地見学会や史跡めぐりの参加者募集などもここに掲載されています。
・川崎市教育委員会がメールマガジンも配信しています →「かわさきの文化財メールマガジン」紹介のページへ
市内の文化財に関するイベント情報や文化財に関する取り組み内容を受動的に入手できます
川崎市 唯一の国宝「秋草文壷」
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川崎市幸区 公式HP
- 秋草文壷
昭和17年に加瀬山裾の民家から発見された「秋草文壷」は国宝に指定されるほど貴重なものでした。高さ40cmほどのこの壺は骨を納めるためのもので、約12世紀ごろに作られたものだと考えられています。表面には、すすき・柳・とんぼといった秋の風物詩が描かれ、地元の有力者が所有していたのではないかと推測されています。川崎市唯一のこの国宝は現在、東京国立博物館に保管されています。
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川崎市文化財団発行 川崎歴史ガイド (6)夢見ヶ崎と鹿島田
- 加瀬山はまた、古墳の多い山としても知られており、1937年(昭和12年)に西の西端に位置する白山古墳から三角縁神獣鏡が出土し、さらに昭和17年にその周辺から秋草文壺(国宝に指定)が発見されたことによって注目されました。1970年(昭和45年)の墳丘調査では5世紀から8世紀の円墳が9基確認され、古墳の多いところとして有名でしたが、大正時代以降、この丘も川崎市に進出してきた企業の工場用地や住宅地の盛り土に使うためたびたび削られ、南加瀬貝塚や白山古墳など消滅してしまった遺跡も少なくありません。
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文化庁 文化遺産オンライン
- 「秋草文壷」の写真と発見の経緯を見る事が出来ます。
- (以下 9月7日 更新)
- 発見の経緯
夢見ヶ崎の台地の西端、市内唯一の前方後円墳として知られる白山(はくさん)古墳の後円部下側から、昭和17(1942)年の土取り工事中に偶然発見されました。 - 形状
高さ42cm、口径16cm、胴部径29cm、底部径14cmを測るこの壺は、口はやや外反して胴の上部が最もふくらみ、底に向かってすぼまっていく優雅な器形をしています。 - 特徴
その名のしめすとおり、口から胴部にかけて刻み込まれた秋の風物にあります。ススキ・ウリ・柳などの秋草やトンボなどの文様が大胆とも思えるような構図で釘彫りされており、日本的な秋の風情を伸びやか、かつ情趣豊かに表現しきっています。
このような文様の描き方は、従来からの中国陶磁の強い影響から抜け出して、日本人みずからが作り上げた新しい表現方法でもあったのです。この壺は、そうした日本陶磁の新しい動きを象徴する代表的な作品であり、平安時代末の12世紀後半頃に愛知県の渥美窯(あつみよう)で焼かれたものと考えられています。
川崎市 公式HPより
東京国立博物館
- 東京国立博物館 創立150年記念 特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」
2022年10月18日(火) 〜 2022年12月11日(日)
現在、国宝に指定されている美術工芸品は全国に902件あります。東京国立博物館ではその約1割となる89件を所蔵し、日本最大の国宝コレクションを誇ります。第1部では、この国宝89件すべてを会期中に公開します。
川崎にある国指定文化財・登録文化財
※ 「川崎にある国指定文化財等」の大きなサイズ(PDF:1451KB)
重要文化財(建造物)・重要有形民俗文化財
川崎市立日本民家園
東日本の代表的な民家をはじめ、水車小屋・船頭小屋・高倉・歌舞伎舞台など25件の建物をみることができます。この25件全てが国・県・市の文化財指定を受けており、民家に関する民俗資料なども収蔵し、日本を代表する古民家の野外博物館の一つとなっています。(国指定重要文化財9棟、重要有形民俗文化財1棟)
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企画展示「倉に眠る道具たち-日本民家園新収蔵資料展」
- 旧伊藤家住宅(重文)は日本民家園設立のきっかけとなった家です。今回の企画展は「倉に眠る道具たち」と題し、昨年度同家より寄贈された農耕用具やさまざまな生活用具、及び令和元年度に寄贈された宮大工道具と伊勢型紙製作用具をご紹介します。
- 2022年7月1日 金曜日〜2022年11月27日 日曜日
- 会場:本館企画展示室
- 職員による企画展示解説:9月24日 土曜日、10月30日 日曜日、11月26日 土曜日 14時00分〜(約20分)
登録有形文化財(建造物)
二ヶ領用水 円筒分水
円筒分水の技術は、当時としては大変に優れた自然分水方式だったことから、各地で同様のものが築造されました。
「久地円筒分水」は、その歴史的な重要性や、全国に広がる初期の円筒分水の事例であることから、平成10(1998)年に国の登録有形文化財に登録されています。
川崎河港水門
、第一次世界大戦のによる好景気の中で、足りなくなった工場用地の拡大を図るため、運河・港湾計画が立てられました。
川崎河港水門は、この計画の一環として将来の発展に備えるべく、当時、多摩川改修事務所長であった内務技師金森誠之の設計により、大正15(1926)年11月に着工され、1年半後の昭和3(1928)年3月に完成しました。
その後、運河・港湾計画は、現在の川崎区を対角線に横切る大運河計画となりましたが、戦時体制へ突入など、社会情勢の変化から昭和18(1943)年3月に廃止され、幻の大運河計画となりました。
→文化庁 国指定文化財等データーベース 川崎河港水門のページへ
史跡名勝天然記念物
橘樹官衙遺跡群(たちばなかんがいせきぐん)
- 国史跡 橘樹官衙遺跡群(くにしせき たちばなかんがいせきぐん)は、武蔵国橘樹郡の役所跡である橘樹郡家[郡衙]跡(千年伊勢山台遺跡)と、その西側に隣接して造営された古代の寺院跡である影向寺遺跡から構成される古代官衙の遺跡です。
橘樹官衙遺跡群は、地方官衙の成立から廃絶に至るまでの経過をたどることのできる貴重な遺跡で、その成立の背景や構造の変化の過程が分かり、7世紀から10世紀の官衙の実態とその推移を知るうえで重要であるとして、平成27(2015)年3月10日に川崎市初の国史跡に指定されました。
- 影向寺遺跡第33次調査の現地見学会を開催
今回の調査場所は、橘樹官衙遺跡群を構成する影向寺遺跡で確認されている古代寺院跡の南西部分にあたり、寺域の西側を画したと推定される溝を発見するなど、新たな知見が得られています。
そこで、千数百年ぶりに地上に現れた当時の歴史に触れ、橘樹官衙遺跡群を身近に感じてみてはいかがでしょうか。
見学会日時:令和4年9月23日(金・秋分の日)13:00〜16:00
川崎にある県指定文化財
※ 「川崎にある県指定文化財等」の大きなサイズ(PDF:1417KB)
県指定文化財(建造物)
川崎市立日本民家園
・旧清宮家住宅 ・旧野原家住宅 ・旧広瀬家住宅
・旧山下家住宅 ・旧鈴木家住宅 ・旧三澤家住宅
・旧岩澤家住宅 ・旧井岡家住宅 ・旧菅原家住宅
・旧山田家住宅
※ 各住宅は、教育委員会WEBサイトの紹介ページにリンクしています
影向寺薬師堂
影向寺薬師堂…江戸時代(造営銘札に元禄7年)。桁行5間梁行5間、寄棟造、内陣、外陣で構成され内部は中世以来の伝統的な密教本堂の形式によるもの。
なお、当堂に関係する文化財も一括指定。
【 附)厨子(1基)、銅板屋根替銘札(2枚)、薬師堂前石燈籠(1基)、境内出土古瓦(15個)、塔心礎(通称影向石1個)】
県指定文化財(絵画)
紙本金地著色 鳥合わせ図屏風
長念寺 多摩区登戸1416
江戸時代。伝承によれば、永徳筆というが不明。めずらしい主題である鳥の鳴きくらべを描いている。
→教育委員会WEBサイト 紙本金地著色 鳥合わせ図屏風のページ
県指定文化財(彫刻)
木造 聖観音立像 1躯
広福寺 多摩区枡形6-7-1
鎌倉時代。寄木造。髪の毛を高く結い上げた宋風を思わせる像である。
木造 地蔵菩薩立像 1躯
広福寺 多摩区枡形6-7-1
平安時代。寄木造。後世の修理による削り直しが目立つが、全体として平安後期の風が認められる。
木造 虚空蔵菩薩立像 1躯
能満寺 高津区千年354
南北朝時代。寄木造。高く結い上げた宝髻、女性的な顔立などに宋元風の特色が認められる。
県指定文化財 (工芸)
鰐口(春日神社)
春日神社 中原区宮内4-12-2
室町時代。全体としてふくらみの極めて少ない扁平な鰐口で、釣環の目との間が広くあいている。
太刀(銘国宗)
個人
史跡
天然記念物
・ 東高根のシラカシ林 ・春日神社、常楽寺及びその周辺の樹叢
川崎市の文化財
市指定文化財
川崎市教育委員会のWEBサイトでは、川崎市内に所在する指定文化財等について、種類別に分類して、くわしく紹介します。
○建造物 42 ○絵画 33 ○彫刻 23 ○工芸品 4 ○書跡・古文書 13
○考古資料 17 ○有形民俗文化財 9 ○無形民俗文化財 8 ○史跡 5 ○天然記念物 4
川崎市地域文化財
平成29年12月、川崎市内で市民生活、市民文化や地域風土に根ざして継承されてきた文化財を川崎市地域文化財として顕彰及び記録することにより、文化財が人をつなぎ、地域を守り育むまちづくりに寄与することを目的とする川崎市地域文化財顕彰制度が創設されました。
○第1回決定(平成30年度)63件
○第2回決定(令和元年度) 68件
○第3回決定(令和 2年度) 28件
○第4回決定(令和 3年度) 31件
下のリンク先では、地域文化財を区ごとに紹介していますので、自宅の近くの文化財を知る事が出来ます。